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Dual Perspective


筒井康隆の傑作長編「パプリカ」が「千年女優」「妄想代理人」の今敏監督で
アニメ化するらしい。しかも音楽は平沢進。キタ━━━(゚∀゚)━━━ッ!!
http://www.madhouse.co.jp/

キャラデザが妄想代理人の安藤雅司というのもかなり期待度大。以前出版された
コミック版は個人的に今ひとつ好きになれないビジュアルだったんで、今回は
ちょいと気合い入れて製作して頂きたいものです。

それでもツツイ作品の映像化に関しては多少の、というか多大なる不安が
つきまとうのも事実。なんせ「七瀬ふたたび」という悪夢のような前例が
あるからなー。他の作品も割とアレだし。日常を舞台にした作品だったらまだ
イケるかなとは思うものの(富豪刑事?…ノーコメント)ことファンタジー
だったりSFだったりすると制作側の技術や予算などがダイレクトに反映して
しまうので、うっかり低予算のTVドラマ等で製作されようものなら、もう
目も当てられないデンジャラスな出来映えになること請け合い。

まあ本質的に文章から映像への完全な形での変換は不可能なのだと思うし、それ故
小説の映像化に際してはこういった不満はつきものなんだろうけど、正直なところ、
下手に手を出すくらいならいっそ作らないで頂きたい!という気持ちになることも
しばしば。本来その作品を違った視点から見る事が出来るという点において、映像化
自体は原作ファンにとっても喜ばしい事のハズなんですけどね。

文章表現を通して脳内で構築されたイメージと実際に「動く絵」として提示される
モノの間にある格差に変にこだわらず、原作は原作、映像は映像として楽しめる
姿勢を持てるのであれば、その分得るところも大きいと判ってはいるのだけれど、
自分が好きな原作だとついつい比較してツッコミを入れてしまう微妙なファン心理で
ございます。人間だもの。

ま、とりあえず今回の映像化に関しては頭を真っ白にしてタブラ・ラサな状態で
臨みたいと思っておりますが、どうなることやら。

ただ、原作がある意味「文章であるからこそ可能」な描写が多い作品だけに、これを
どう映像化するのかは実際非常に興味深いですね。とりわけ、この作品の見せ場の
1つであろうブレインダイブ描写などは、某「攻殻機動隊」以降その手の描写が
イメージとして定着しているだけに、ありきたりの表現を踏襲するのではなく多少
ヒネリを利かせてほしいものです。

ちなみに「時をかける少女」もアニメ化するそうなんだけど、こちらは原作もさほど
好きじゃないので「またデスカ?」という感じ。キャラデザは「エヴァ」の貞本義行。
ふーん。同じ「時かけ」でも、筒井自身によるセルフパロディの方は毒テイスト本領
発揮でかなり面白かったんだけどねえ。

本日のBGM : JOURNEY THROUGH YOUR BODY 〈P-MODEL / 1993〉
| quine | 書籍 | 14:21 | comments(1) | trackbacks(0) |
ASHURA CLOCK


あちらこちらのメディアやら批評家やらが
散々語り尽くしたような状況で何をいまさら、
といった感が無きにしもあらずではありますが、
遅ればせながら舞城王太郎の小説「阿修羅ガール」
を読んでみました。初・舞城体験。遅咲きボーイ。

本当は電車の中とかで少しずつ読んで通勤時間の
ヒマをつぶそうとか思ってたのに、思わず超熟読
したうえ1日で読了。本を読んでてページをめくる
手が止められない感覚ってホント久しぶり。

ただ、別段ストーリーが面白すぎて…とか、先読み
できない展開から目を離せなくて…とか、女の子の
キャラが萌え萌えで…とか、そういった理由で読むの
止まらなくなったわけじゃないんですよね。
確かにそういった「小説の骨格」となる部分も非常に
魅力的ではあるし面白いんだけれど、この作家の場合
何よりも「文体」が飛び抜けて素晴らしい。作品を
「読む」という行為自体が、もう純粋にテキストを
追っかけていく悦びに満ちあふれているのですよ。

例えるならば最も勢いがあった頃の高橋源一郎の、
日常会話の言語をベースに俗語から隠語、専門語
からマニアックなマンガネタといった、あらゆる
「毒」や「笑い」や「皮肉」や「可愛らしさ」を
ぐちゃぐちゃにばらまいて読者を煙に巻きつつも
猛烈な加速度で次の文章を読ませてしまう、あの
たたみ掛けるようなキモチ良さ。あれに近いかも。
…とか思わせて油断させつつも、タカハシさんとは
また違った方向にグイグイと引っ張っていくあたり、
一筋縄ではいかないこの作家の奥深さを感じて平伏。
とりわけ第二部「三門」に入ってからの文章の疾走感、
濃密さ、愛らしさ、間の上手さときたらもう完全に
白旗降って降参状態。まいった。こんなん突きつけ
られたら、もはやひたすら「読む快楽」に身を任せて
「アヘー(のだめ)」となるしかないじゃないですか。

まあ、とどのつまりは、ひどく乱暴に言ってしまう
ならば、僕はこの作家の文体に「萌え」てしまったの
ですね。それこそ舞城的に「ニチニチニチニチ」と
脳をじんわりじんわり浸食されてしまったわけですよ。

実際は殆どの文章が主人公アイコの1人語りだったり
するわけで、そういう意味ではアイコに対して
「キャラ萌え」してると言えないこともないのだけれど、
キモチ良ければどっちでもいいや。

そういえば某雑誌の書評で舞城氏のことを「ミステリ、
純文学、ライトノベルの有り得ない三叉路にただ1人
屹立する存在」と表していたけど、読んでみて割と納得。
なるほどなるほど。「純文学」だの「アート」だの
「サブカル」だのといった固定化されたフィールドを
飄々と無視できる(「飛び越える」ではない)感覚の
持ち主ならではの、この軽さと重さの混在具合なわけ
ですね。フムフム。こういったバランス感覚って自分
としては非常に共感する部分が大きいし、だからこそ
実際読んでてものすごく心地良かったりするんだろうね。


「アイムプリティファッキンファーフロムOK」
…なるほど名言だわ。

本日のBGM : ASHURA CLOCK〈P-MODEL / 1997〉
| quine | 書籍 | 04:44 | comments(0) | trackbacks(0) |
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