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イエローサブマリンがやってくる

■ ライフ・アクアティック
THE LIFE AQUATIC / 2005 / 米

傑作「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」で各映画賞を総嘗めにした
ウェス・アンダーソン監督の劇場2作目。

いやもうワタクシ「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」心底大好きなわけですよ。
確かにこれといって爆笑できるわけでもなし、滅茶苦茶に感動するでもなし、
胸躍る大事件が起きるわけでもなしという、言ってしまえば映画的に極めて
「地味ー」な作品ではあるのだけど、かっちり組まれた構成、突出したセンスの
光る演出、登場人物の造形の上手さなどの要素が見事に組み合わさって本当に
素晴らしい映画として仕上がっていたと思います。どのシーンの何処がどうとか、
ここが笑えるとかそういうのではなくて映画それ自体として「好き」なんだよね。
とりあえずオープニングの人物紹介だけでガッチリ胸ぐらつかまれる映画って
そうそう無いよな。

そんでもって、2作目ですよ。期待しない訳がない。

まあ、実際1作目が素晴らしかった監督の次作品って大体、同じ系列のテーマを
扱って「前と同じやん!」というツッコミを入れられるパターンか、逆に無理
してかけ離れたジャンルに手を伸ばしあえなく自爆するパターンのどちらかに
陥りがちだと思うんだけど、今作は設定だけを取り出してみるとどう見ても後者。
何てったって「海洋冒険モノ」ですよ?潜水艦ですよ?

うわ、ウェス・アンダーソン大丈夫?って思うじゃないですか普通。

ところがビックリ非常〜に面白かったんだなこれが。先に述べた「かっちりした
構成、センスの良い演出、人物造形の秀逸さ」は前作のクォリティを維持した
まま今作でも際立っており、しかも前作には無いアクション(?)や特撮(CGでは
ない)などの新たな要素を盛り込むなど、映画として非常に完成度の高い作品に
仕上がっていたように感じます。まあ考えてみたら「テネンバウムス」は1つ屋根
の下に押し込められた家族間の悲喜劇、こちらは船の中に押し込められた疑似家族
のドタバタ、というわけでそれほどかけ離れた題材でもなかったわけですね。

著名な海洋冒険家にしてドキュメンタリー監督でもある主人公を演じたのは、
ロスト・イン・トランスレーションで2003年アカデミー主演男優賞を取って
しまったビル・マーレイ。今作はウェス監督が彼を念頭においてプロットを
書いたというだけあって、まさにハマり役。この人ってゴーストバスターズの
頃からかなり好きな俳優なんだけど、胡散臭くて嫌味な人物を演らせたら彼以上
の存在はいないよね。(「3人のゴースト」での人非人っぷりは素敵すぎる)
冒頭の主人公が監督した「ドキュメンタリー作品」の映像からして、胡散臭さ
120%でとっても素晴らしい。

その他ジェフ・ゴールドブラム、ウィレム・デフォーなど渋い配役が多いのも
嬉しい限り。デフォーは今回主人公を尊敬するあまり彼の息子に対して嫉妬の
炎を燃やすエンジニアといった役どころなんだけど、彼がコミカル(つーか、
へなちょこ)な役を演ずるのって初めて見たんで、この人こういう路線も
イけるんだとちょっと感心しました。ホントいい役者だよなあ。

ちなみにこの映画で登場する海中シーンおよび生物は全て特撮(CGではなく
モーションアニメ)で作成されており、確かに賛否両論あるかとは思うのだけど
個人的にはどこか懐かしいというか、幻想的で非常に美しい映像だと感じました。
リアリティはさておき。

しかしながらこういうノスタルジックなテイストの海中シーンって、前にどこか
で見たことあるよなーとか思ってたら「トム&ジェリ−」を初めとするハンナ・
バーベラのアニメに出てくる海の中にそっくりだということに気がついた。
1940年代あたり、海がまだ不思議の宝庫だった時代の描写ですね。この映画全体
がその辺りのノスタルジーを意図的にまとっていることは明々白々なのだけど
(なんせ「海洋」で「冒険」ですから)その狙いと自分の幼少期のイメージが
合致するのって、なんかちょっと嬉しいですね。

ともあれ、今作で一発屋ではないことを証明してみせたウェス・アンダーソンの
明日はどっちだ!?噂によると、次の作品は今作の特撮担当ヘンリー・セリック
(ナイトメアー・ビフォア・クリスマスの人ね)と再び組んでアニメーションを
作成するとのこと。期待大ですな。

どーでもいいけどこの監督、1970年生まれってことは、まだ34、5歳くらいなのね。若っ!

追記:

BGMにDEVOを使ってたり、どうもピコピコした音が目立つなーと思ってたら、
それもそのはず音楽監督がマーク・マザーズボーだった。というか、前作
ロイヤルテネンバウムズの音楽も、すべてマザーズボーだったとのこと。
全然気がつかなかったああ!うかつ!愚か!

本日のBGM : Gut Feeling 〈DEVO / 1978〉
| quine | 映画 | 08:30 | comments(0) | trackbacks(0) |
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